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| 漫画をよく読み、昆虫が好きな、どこにでもいる少年だった。 | |||||||||
| いま時代、虫など触ることが苦手な子供たちも多いが、昔はよく林やしげみに行って、昆虫採集に夢中になったものだった。いろんな色、形の小さな生き物。西山さんも幼い頃からそんな遊びに没頭していたそう。「昔はあちこちにこんなに大きなカブトムシがいて、それを捕まえたときなんか本当にうれしくてね」。職人のゴツイ手でカブトムシのサイズを表しながら、うれしそうに語る。"虫好き"は今も変わらないという。工房で干からびていた蜂と蛙を自分が作った小さなトレーに並べて棚においてある。 | |||||||||
| 美術の仕事に関わりたいと進学した、道教育大。 | |||||||||
| 少年時代もうひとつ夢中になっていたものは"漫画"。それが自然と美術に結びついていたという。気がつけば絵を描くことが好きで、高校卒業後は「美術に関する仕事がしたくて」北海道教育大学札幌分校特設美術科に入学。金属工芸専攻学部を選択し、金属工芸に魅了されて行く。当時の恩師がこれまた面白い方だった様。「先生はよく僕を飲み屋に連れて行っては自分の作品をそこで販売して、そのお金で飲んでいました。当時はバブルがはじける前もあって結構売れましたよ」。そんな師弟の関係は大学内でも。「先生の作品制作のアルバイトもやっていました。まぁ、お手伝いですけどね。先生は遠慮のない方だからそっちの方が忙しくって、そのお陰で僕は自分の作品づくりがほとんどできなかったな」。 | |||||||||
| 断りきれない性格が功を成したか。 | |||||||||
| 卒業後は、個展・グループ展などを開催。また2年間、高校で美術講師もつとめた。まじめで大人しい性格だから、コツコツと仕事をこなして行く。そのうち、作品を見た人たちから「あんなもの作って」「こんなもの作って」と注文が増えて行く。「最初は嬉しいばかりで注文を受けてましてね。でもそうしているうちに、どんどん仕事が増えてきて追いつかなくなった。でも断れなくて受けるからあとは必死でやってました」。西山さんの仕事ぶりと作品の評価は企業にまで。新築ビルのオブジェから店舗看板・家、はたまた大手ビアレストランや大手ウイスキーメーカーからも注文が。年々ステージは大きくなって行く。中にはこんな注文も。「室蘭の祭り神輿の御神体。測量山の鉄塔をモチーフに制作しました」。メタルの御神体とは市もおもしろい発想をもった。ちなみに、下からライトアップされるという、お洒落な御神体。ここでも西山さんのアイディアが光る。 | |||||||||
| これからの自分。 | ![]() |
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| 仕事も順調に行き、十数年前に"有限会社 ガルフ"を設立。日々、あらゆるメタルクラフトを世に送り出している。そんな西山さんはこう言う。「追われる仕事の中でふと思うことがある。夢中で金属を叩いていた学生時代。好きなものを好きなように創作していた。あの頃のような創作活動ができれば最高ですね。もちろん昆虫と爬虫類をモチーフにしたユニークな作品でやれたらいいな」。メタルクラフト作家として認められた彼が次に目指しているものは、以外に"あの頃の自分"なのかもしれない。 | |||||||||
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