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世界が仕事場だった開発会社時代。
発展途上国に道路を敷くなどの貢献事業を行う大手開発会社に勤務していた。ある時、家具を作りたくなった。現実にするために早速行動を起こす。そんな中、ある家具職人との出会いが。ところが思いを伝えた職人から「若いんだからデカイ丸太でもやってみろ」と、紹介された小樽のログハウスメーカーの見学に行った。そのままアルバイトとして働き始めることに。ところがそれから3ヶ月間、ひたすら"デカイ丸太"の皮むき作業。
 
ログハウス×勉強=インド。
そんな皮むき作業もコツをつかみ、木に囲まれた環境でログハウスに魅了されて行く。そんな折り「もっと、勉強したい。インドに行こう」と、思いたつ。ちょうどその頃、正社員になるところで会社を説得して東南アジアの旅にでる。ログハウスの勉強と言えばカナダなどをイメージするが、彼が選択した国はなぜかインド。しかしそこには確固たる理由があった。「開発会社にいた当時、発展途上国で仕事をしていて感じたことがあった。国の発展の為にやっているんだろうが、そこで起きる「上層社会と下層社会」の格差。かたや道路が拡張される、ビルが建つ。そのために貧困地区の土地がつぶされ、そこの住民が家を失う」。そんな"矛盾"を実際に肌で感じた彼が思ったことは「小さなものでも人が喜ぶ物を作りたい」。インドを選択したのは精神世界的なイメージを求めたからだった。 半年ぶりに帰国した彼を会社は待っていてくれた。「普通ならクビでしょ」千葉さんは懐かしそうに苦笑する。それからメキメキと腕を上げ会社の家具部門でも技術を磨いた。社長宅の建築でも棟梁を努めるまでに。
 
独立。
「半年は食えなかった。女房子供を食わせる為にアルバイトをしながら生活を守った」。 そのうち、ひとづてにもらった仕事。「喜んで受けたはいいが、独立してから初めての仕事で見積もりの立て方が分からなかった。おかげで、大赤字」。それでもアルバイトをしながら地道に自分で作ったチラシをまいたりできることは何でもやった。 そうしているうちに一軒家の仕事が舞い込んできた。「今度は見積もりをしっかり立てて大丈夫だったね」。
 
千葉流喜びの術。
生活の中で嬉しかったり感動したことをすぐに人に伝えたがる"癖"があるそう。「うちの奥さんは押し付けっていうけどね」。とにかく喜びを"共有"したい。この思いは良い形で仕事に反映することになる。 千葉さんは初めての家作りにも自分流のアイディアを惜しみなくお客に提案して行った。「とにかく一緒に喜びたい」それは仕事の完成度と相まって紹介から紹介へと仕事を広げて行くことになる。
 
ものづくり=人。    
最近も仕事中にお客さんから「楽しそうにやってるよね」と言われた。人が好きで喜びを共有したがりの木工職人は「 "もの"とは、人と人とのコミュニケーションアイテム」と言う。「自身の作品を通してそのことを伝えて行きたい」。発展途上国で感じた矛盾。平和な日本で自分に出来ることとは・・・。彼が出した答えが"ものづくり"ということに納得せざるを得ない。  
 
   
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