今週のピックアップ  
札幌芸術の森美術館
Vol.1
 

 晴天。雪解け進む3月のある日・・・。札幌市南区の「札幌芸術の森美術館」を訪ねた。山と緑に囲まれた自然の中にあり、駐車場から美術館に向かう途中「キツネ?!」と思われる足跡を見つけ嬉しくなった。たどりながら進むと川辺にむかって進路を変えていた為そこでお別れした。そして次の出会い・・・、「愛する美術Part2ハッピー・ライフ」展を企画した学芸員の樋泉綾子さんだ。普段ではあまり知ることのない学芸員の仕事についてたずねてみようと思っている。逸る気持ちを抑え、ザクザク響く自分の足音を聞きながら美術館へと向かった。 (at 2008.03.20 / writing Yuki)

       
         
                         
                      
                         
この道(学芸員)を選んだ理由は?
 高校生の時はずっと絵を描いていたので、その道にすすむことも考えたのですが、大学で美術を学問として学べることを知り、その面白さに惹かれて学芸員を目指すようになりました 。

ー 展覧会の企画などは何人で担当するんですか?
 学芸員が4名で年間6本の展覧会を開催します。だいたい1人で1本半ですね。

全部1人ですかー!!大変な事はなんですか?
 特に「これが大変」というよりは、作品の出品交渉、チラシなどの作成、図録の編集、展示プラン、作品の輸送など、展覧会ができあがるまでの膨大な仕事を、次々とこなさなければならないことが大変です。楽しいときは、作品を展示している時ですねぇ。自分のイメージ通りに作品が
       
                             
                    並んでハマッタ時は「ヨシッ!!」と思いますね!自分の好きなことを仕事にしているので、苦労は忘れてしまいますし、扱う作品がいつも違うので、いつも新しい出会いがあり、勉強を続けていけることも魅力です 。

ー愛する美術展のテーマは「愛」ですが・・・

  作品ありきでテーマが決まっていくことが多いのですが、今回の「愛する美術」展は「愛」とテーマを決めてから、作品を選びました 。誰でも他の誰かや、何かに対する愛情を持っているものだと思います。そうした共感できるテーマであれば、ふだん美術を敬遠しがちな方にも親しんでいただけるのではないかと思いました。Part1は、人と人との愛。例えば恋愛や家族愛をテーマにしました。今回のPart2は日常の暮らしの傍にあるもの。たとえば毎日を過ごす部屋だったり身近な生き物、庭の草花などなど・・・身の回りにある存在への愛をテーマにしています。見に来てくれる方に、普段は身近にありすぎて気が付かないものへの愛を感じて、少しでも幸せな気持ちになっていただければ嬉しいです。
   
(左から)八木伸子《バラ色のテーブル》1986年、《花束のある室内》1984年、
《二月の室内》1991年/いずれも札幌芸術の森美術館蔵
   
 
ー 展示の見方やポイントはありますか ?
 毎回、考え悩むところです。美術作品は、作家さんの手を離れると、あとはどんな風にとらえようと、それは作品を見る側の自由です。美術館としては、展覧会のテーマや作品のメッセージを伝えるために、展示の構成を工夫したり、作品に解説の文章を添えたりしています。そういうことを通して、美術をより深く味わうためのお手伝いをしているつもりです。

ー これからの抱負を聞かせてください 。
  学芸員になって3年目を迎えました。これからキャリアを重ねていっても、美術に対する新鮮な気持ちを失わずに、「愛」のあるいい仕事をしていきたいです。


札幌芸術の森 http://www.artpark.or.jp
■札幌芸術の森美術館 http://www.mocas.jp
     
砂澤ビッキ《風に聴く》1987年 札幌芸術の森美術館蔵
                       
Copyright(C) by FLATCUBE. ALL RIGHTS RESERVED.